今や社会保険労務士は、職業の人気資格の一つだということです。
しかし、その仕事の内容はあまり知られていないかもしれません。
労働保険や社会保険の行政機関への手続の代行が最も知られている業務でしょうか。手続といっても、年金も含めて生活の保障にかかわる大事な作業となります。
関係する分野は非常に広いです。現在の新聞紙上のニュースの多くが関係しているといってもいいと思います。
まず、社会保障。
社会保障とは、病気・怪我・出産・障害・死亡・老齢・失業などの生活上の問題について貧困を予防し、貧困者を救い、生活を安定させるために国家又は社会が所得移転によって所得を保障し、医療や介護などの社会サービスを給付すること、又はその制度をいいます。年金もここに含まれます。
そして、従業員の採用や定着にもかかわりますので、社会的な問題となっている少子高齢化問題、パワハラ・セクハラ問題、長時間労働問題、心疾患問題、請負・派遣問題への対処も重要な仕事になっています。
その解決のお手伝いをしていく中で、これらの解決に重要なことは次のことではないかと考えるようになりました。
遵法は前提ですが、「バランス感覚」や「なるべくお互いを知ること」が、個人間にも会社と労働者間にも求められていると思います。コミュニケーションが声高にいわれています。が、基本は、少し大袈裟に言うと、「人間」として対面しているか、だと思います。問題が炙(あぶ)り出されてくると、そこには人を「物」として扱っているのではという危険を孕んでいます。
もちろん、これは他人事ではなく、常に自分自身と対話しながら考え続けなければならないことだと思っています。
何故「バランス感覚」を挙げたかというと、バランスの取れた状態には、「信頼関係」が基礎になっていると思うからです。バランスの取れた会社には、仕事に前向きに、夢中(仕事中毒ではありません)になっている姿がダブります。
でも、バランスが取れている、とは結果にすぎなく、信頼関係があるからそうなった、と言えるのではないか、とお考えになりますか?信頼関係こそが大事と。
しかし、私はバランスをとるというプロセスが信頼関係に結びつくのでは、と思うのです。
信頼関係を目的とするのは、実際大変難しいのでは? むしろ、バランスを取ることを目的とする方がやりやすのではないかしら。
人が何かを決定するとき、多くは感情の部分が先行しています。それにストップをかけたり、調整するのが理屈。バランスは、理屈で何とかできるのではないかしら。その方がコントロールしやすいと思うのです。
いかがでしょうか。